柘植文「中年女子画報」
「中年女子」という言葉にがっちり惹かれて購入。
柘植文さんが40代女子へ贈る中年入門書。
私もあと何年かで四十路なのですよ・・・
テレビの中の人々どころか近所の美魔女達を目の当たりにし、
「-5歳肌」とか「ほうれい線が消える」などと言った単語に
がっつり飛びついてしまうお年頃です。
しかし、この本では四十路の柘植さんが「正しい中高年」を目指し、
山登りに園芸に美術館めぐりから綾小路きみまろに毒蝮三太夫まで!
「中高年って言ったらコレよね~」っていうめくるめく中高年ワールドを
あれこれ体当たり体験してくれています。
趣味やらファッションやら
あなたも私もの知らない中高年の世界・・・
覗いてみたらなんだかちょっと面白そう!
ああ、美しい大人女子(笑)とかどうでもいいから、
早く毒蝮三太夫にババアって呼ばれたい(笑)
とりあえず、私も40歳になったら中年式をやりたいと思います。
ここ一週間ばかりで見た歴史系番組感想(3/30)
3月頭から一家総出で風邪をひき絶不調だったため、
録画消化が滞っておりますよ・・・
◎「独眼竜政宗」49話「母恋い」
50代の政宗の生活を描いた回。
あの政宗も寄る年波と時流には勝てず立派な頑固爺に。
大名として幕府と渡り合いながら藩の経営をしていく苦労の他に、
息子・秀宗の失策にブチ切れたり、出戻りの五郎八にやきもきしたり、
年老いた母を呼び寄せようとして突っぱねられたりと、
現代の中高年の方々と変わらないような心配事に悩む日々でした。
「天下を取るのは難しい、だが、人の心を掴むのはなお難しい」
と、愛姫に向って呟く政宗が切なかった。
次でとうとう最終回。見るのがさみしいなあ。
ところで、政宗のプライベートルームの2畳の小部屋「閑所」。
いい感じの狭さで、私も欲しい!などと思いましたよ。
◎「ザ・プロファイラー」勝新太郎の回
私は晩年の勝新の姿をテレビで見ていた世代で、
豪放磊落で破天荒な大物俳優というイメージが強かったけれど、
デビュー前後の事は全く知らなかったので新鮮でした。
勝新が拘ったリアルの追及、本当にカッコいい!
現代日本映画の先駆け、 豪快に見えて観察眼が鋭い、だとか、
型破りなのは型を身に着けた人だからできること、などなど・・・
改めて勝新太郎は人々に愛されたすごい俳優だったんだなあと思いましたよ。
座頭市シリーズ、じっくり見てみたいなあ。
◎「歴史秘話ヒストリア」 姫路城の回
ついこの間修理が始まっんだーと思ってたらもう完成!
時が経つのは早いものです。
修理完了後の姫路城は目が覚めるような真っ白さ!
でもこれが本来の色で、修理前はカビと漆喰が剥がれててあの色だったとか。
塗り直しに天然素材の漆喰100トン使ったとか。
塗るのも大変だけど、練るのも大変だったことでしょう・・・
死ぬまでに一度姫路城を見に行きたいものです。
そういえば、姫路城って築城当時からどっちかだかに傾いてるって
伝承がなかったっけ? 今回の修理では直したんだろうか。
◎「発掘!歴史に秘めた恋物語」秀吉の回・前後編
前編は秀吉とおね、後編はおねと淀殿の関係について。
おねと淀殿を並べて片方を持ち上げるともう片方の扱いが悪くなるという
流れがあると個人的に感じるんですが、この番組では、二人は力を合わせて
豊臣家を守ろうとしていたと描かれてて良かったです。
でも、どっちが女として秀吉から愛されていたかは実際わからないけれど、
公私ともに支えたパートナーは糟糠の妻・おねだったんだろうなあと思う訳で。
前編で紹介されてた秀吉がおねに贈ったプロポーズの言葉
「世間後 見て給え (私の財産を管理してください)」
というのに、ちょっとぐっと来てしまった訳ですよ。
日本で夫が妻に給料の管理を任せる文化って結構古くから続いてるんだなあ。
いつぐらいから始まっているのか今度調べてみよう。
最後に、おねと秀吉はふたりでひとつになって「豊臣秀吉」になった と
〆てたのが印象的でした。
あと、坂雲と花燃ゆとマッサン最終週も見終わってますが
感想はまた後日に。
勝田文「マリーマリーマリー 1」
大好きな少女漫画家5人選べと言われたら
確実に名前を挙げる勝田文さんの新刊!
勝田文さんの漫画は、登場人物はみんながみんな
ちょっとおとぼけな善良な人々で、
彼らが身の丈に合った幸せを手に入れる
温かく幸せな優しいお話ばかりで大好きです。
この本は、帯に 「キュートで奇妙なケッコン・コメディ」と
紹介されているように本当に可愛い!!と転げまわりながら読みましたよ。
天然気味な鍼灸師・リタが謎多きギタリスト・森田さんと
雷鳴と共に恋に落ちビビビ婚(古語(笑)。
ふたりはリタが勤める鍼灸院の2階の狭い部屋で結婚生活を始めるものの
謎が多い上にギタリストの仕事でふらっといなくなっちゃう森田さんに
心身共に振り回されるドタバタコメディー。
それでいながら、ほっこりとかわいらしくて胸をきゅんとさせる
素敵なシーンが随所にきらきらとちりばめられているのです。
また、この森田さん、ちょいワルチャラ男でアウトローなギタリストで、
リタと出会った時は住所不定無職という残念なスペックなんだけど、
自分の心身に正直に生きていてストレスのない健やかないい男。
それでいて人当たりが良くて家事全般やってくれて、と素敵すぎる~!
森田さんが焼いてくれた、フライパンで焼く
パンケーキみたいなはんぺんで作る簡単伊達巻が
ものすごく美味しそうで、再現してみたい!
あと、♯5の表紙の、リタの愛車・クラシックミニをあしらった打掛が
すごく可愛い!実際あったら着てみたかったなあ!
まだ結婚していない人にも、もう結婚している人にも
ぜひ読んでときめいてほしい一冊。
「マリーマリーマリー」、続刊がとても楽しみです。
「神は細部に宿るのよ」4巻
久世番子さんの被服コミックエッセイ!
2年ぶりの新刊です。
裾のインアウト問題やらパーティーバッグ、
セットアップやクラスTシャツ!
4巻も30代女子の被服に関する悲喜こもごもに大笑いし、
そしてちょっと泣いた・・・
さらに私は寒冷地在住既婚子持ちという枷があって、
マジで何を着ていいかわからない今日この頃です。
もう、法律とか条令でこういうスペックの人はこれを着ろって決めて。
いや、それはそれでつまんないか(笑)
今巻で心にどすーんと響いたのは≪老後を考える≫の章の一言。
オシャレな老婦人は オシャレな若い女性から出来ています
・・・私も老後は諦めました。
大人しくイオンに服を買いに行ってきます。
ちなみに、今巻で触れられていたクラTことクラスTシャツ、
ママやパパになっても作って着ることがあるよ?
幼稚園によっては運動会の応援なんかで作るんですわ。
(もちろん音頭は権力者女子系ママが取ったよ☆)
まさか3X歳でクラTを着る日が来るとは予想してなかったわー
「私の嫌いなおともだち」
雁須磨子さんの初百合単行本。
そして私も、百合っぽい流れの漫画は何冊か持ってるけど、
百合レーベルの漫画を買ったのは初めてだったりしますよ。
なんていうか、どの話も可愛いなあ!
学生同士もあれば大人同士もあり、女の子同士の繊細なやりとりがとても良い。
猫タイプ美少女やおめめパッチリカワイコちゃんにきりっと美人さんもいれば、
地味っ子さん達やコマによっては男の子に見える中性的な子もいたり、と、
ビジュアルや性格も千差万別。
どの娘達も幸せになれよー!と祈らずにはいられないような温かいお話ばかり。
特に「私の嫌いなおともだち2」と「little by little」のタマちゃんが超かわいい。
顔を真っ赤にして、先輩の手に触れて
(お願い ずーーーっと あなたは誰にも 知られないでいて)
って、シーンがものすごくかわいくてかわいくて・・・!
女子同士のじりじりと間合いを詰めあうような
距離の近づけ方がリアルだなあ。
女子×女子ってこういう風に始まるのかーと勉強になった。
いや、もういい年の子持ちBBAが勉強したところでどうすんだ(笑)
自分には遠く過ぎ去りし乙女同士の世界を見守るスタンス、
なかなか楽しかったです。ちょっとハマっちゃいそう。
似た系統のおすすめがあったらどなたか教えてください。
「こくごの時間」
雁須磨子さんの新刊読了。
国語の教科書に載っていた作品をベースに描く8つの物語。
雁須磨子さんは作品の中の言葉の選び方やか使い方が秀逸で、
「雁須磨子×国語」というだけでテンションが上がってしまいますよ!
ベースにされた作品はわあなつかしい!と思うものもあれば、
教科書が違って初見の作品もあった。
私はどこの出版社の教科書だったかな~?あとでググろう。
読んでみて、昔習ったあれこれを思い出したり、
また新しい発見があってハッとさせられたりして、
普段の生活の中で鈍感になってしまって
すっかり忘れてしまっているような
繊細で柔らかい雰囲気がとても素敵でした。
特に「言葉の力」の少年少女にきゅん!として、
「山月記」の「トラがいい~」の下りにぐっと来た。
もう一度教科書が読みたくなってきた。
そういえばもうすぐ新年度、新しい教科書の季節ですね。
子供が新しい教科書をもらってきたら、
名前を書くついでにぱらぱらっと読ませてもらおう。
「女王の花」11巻
歴史ロマン長編の11巻目。曾国編、決着!
大国の王女でありながら冷遇されて育った姫・亜姫と
その亜姫に忠誠を誓う金髪碧眼の奴隷・薄星の恋と戦いの物語。
少女漫画ではちょっと珍しい?スケールの大きい中華風歴史ロマン。
第60回小学館漫画賞を受賞されたそうで、おめでたい!
11巻のお話は主人公の亜姫と薄星はちょっと脇に置き、
舞台は野心家な王子・旦の国・曾。
登場時、なにこの小僧、当て馬キターくらいにしか思ってなかった旦王子。
まさか主役そっちのけ状態でこんなに熱い展開になるとは!
暴君である父王の元で育ち、不遇の兄王子・光とのやり取りを経て
王者の才覚を磨いてきた旦王子。
クーデターを起こし、宮殿の多くの人々の前で自らが王になると
高らかに宣言した姿は本当に格好良かった!
その他にも光王子や翠蝉、旦王子の爺に活躍が胸熱。
特に爺!!!(段謹という名前だった)
旦王子とは「糞爺」「糞王子」と呼び合っちゃうような飄々とした爺さんだけど、
王子の為なら汚れ役をさっと引き受けちゃう策士&忠臣ぶり!
少女漫画にはちょっと出て来ることのない素敵な爺。
平成に入ってから読んだ少女漫画一番素敵な爺だったよ・・・!
(いや、本当にビジュアルが白髪で髭の爺さんなんだってば)
光王子と翠蝉も切なかった・・・!
2人の姿は境遇から何からそのまま亜姫と薄星に重なってしまって、
これから亜姫と薄星はどうなっちゃうんだろうかと不安になりました。
しかし、亜王、黄王、曾王と、どの国の王様もキャラが濃いなあ。
抱えているものが暗くて重くて闇が深い。
主人公・亜姫もこのまま女王になったらこんな闇を抱えることになるのか?!
そんな心配を抱きつつ、次巻からいよいよ宿敵・土妃との対決開始!
物語もいよいよ佳境でしょうか。非常に楽しみです。