みたものきろく。

漫画とテレビばっかり見てる駄目な大人の感想文ブログ。腐女子でごめん。

入江亜紀「乱と灰色の世界」7巻

1巻から毎回わくわくどきどきしながら読んでおりました!

 それがついに最終巻・・・

 最後まで、とてもとても良い漫画でした!!

 

強大な魔法の力を隠しながら灰色町に住む漆間一家。

その一員でありながらうまく力を制御できず、

小学校でも浮いていじめられている暗くて冴えない女の子・乱。

そんな乱は、履くと大人になれる魔法のスニーカーで

ボンキュッボンの綺麗なお姉さんに大変身!

 

はじめは、可愛い魔女っ娘が活躍するキラキラファンタジーに

萌えるわ~☆と軟派な気持ちから読み始めましたが、

巻を進めるうちにどこか懐かしいレトロな雰囲気を持ちながら

奇想天外で壮大な物語の展開にすっかり虜になっておりました。

 

もうね、主役の乱をはじめ、

父の全と母の静、兄の陣、兄の恋人の珊瑚ちゃん、

乱に恋する女たらしの御曹司・凰太郎に

乱のクラスメートでいじめっ子の日比くん、

乱のライバルの魔女・仁央ちゃん・・・と、

この他にもまだまだ数えきれないくらいたくさん登場人物がいるんですが、

その一人一人に作者さんの愛が込められていて、

一つの物語の主役になれそうなほど魅力的なのです。

 

そして迎えた最終巻。

6巻の最後があまりに過酷で切なすぎたので、

最終巻は本当に乱の涙の魔法にかかったみたいに

乱と一緒にぽろぽろと涙をこぼしながら読みました。

 

それでも哀しみを乗り越えた乱はサナギから孵った蝶のようにキラキラ輝いていて、

本当に素敵な女の子、そして立派な魔女になっていました。

 

また、哀しみにくれる乱を支えたクラスメートの日比君が

めちゃくちゃいい男になっていましたね!

日比君の「一緒に大人になろうぜ!」と行った笑顔に、

乱と一緒にきゅんとしてしまいましたよ!

好きな気持ちをこじらして乱をいじめてたのがウソのようだ(笑)

 

最後、高校生になった乱が甥っ子(陣兄ちゃんと珊瑚ちゃんの息子!)に

大人になる魔法について聞かれた時に教えた言葉に、

散らかった部屋でお布団を被って泣いていた冴えない乱を思い出して

また涙がこみ上げてきました。年寄りは涙もろくていやあねえ。

 

皆の「その後」も描かれていて、思い残す事のない素敵なラストでした。

あの色んな意味で獣だった陣兄ちゃんが良いお父さんになっていて

ジーンとしました。珊瑚ちゃんといつまでもラブラブでいるといいよ!

 

鬱屈した世界から美しい花を咲かせた女の子の成長物語「乱と灰色の世界」。

現役の女の子にも過去女の子だった女性にも是非読んでほしいお話です。

娘が思春期になる頃、本棚の手に届くところに並べておいてあげたいな。

 

私も、時間を見つけてまた1巻から読み返したいなあ!