「女王の花」11巻
歴史ロマン長編の11巻目。曾国編、決着!
大国の王女でありながら冷遇されて育った姫・亜姫と
その亜姫に忠誠を誓う金髪碧眼の奴隷・薄星の恋と戦いの物語。
少女漫画ではちょっと珍しい?スケールの大きい中華風歴史ロマン。
第60回小学館漫画賞を受賞されたそうで、おめでたい!
11巻のお話は主人公の亜姫と薄星はちょっと脇に置き、
舞台は野心家な王子・旦の国・曾。
登場時、なにこの小僧、当て馬キターくらいにしか思ってなかった旦王子。
まさか主役そっちのけ状態でこんなに熱い展開になるとは!
暴君である父王の元で育ち、不遇の兄王子・光とのやり取りを経て
王者の才覚を磨いてきた旦王子。
クーデターを起こし、宮殿の多くの人々の前で自らが王になると
高らかに宣言した姿は本当に格好良かった!
その他にも光王子や翠蝉、旦王子の爺に活躍が胸熱。
特に爺!!!(段謹という名前だった)
旦王子とは「糞爺」「糞王子」と呼び合っちゃうような飄々とした爺さんだけど、
王子の為なら汚れ役をさっと引き受けちゃう策士&忠臣ぶり!
少女漫画にはちょっと出て来ることのない素敵な爺。
平成に入ってから読んだ少女漫画一番素敵な爺だったよ・・・!
(いや、本当にビジュアルが白髪で髭の爺さんなんだってば)
光王子と翠蝉も切なかった・・・!
2人の姿は境遇から何からそのまま亜姫と薄星に重なってしまって、
これから亜姫と薄星はどうなっちゃうんだろうかと不安になりました。
しかし、亜王、黄王、曾王と、どの国の王様もキャラが濃いなあ。
抱えているものが暗くて重くて闇が深い。
主人公・亜姫もこのまま女王になったらこんな闇を抱えることになるのか?!
そんな心配を抱きつつ、次巻からいよいよ宿敵・土妃との対決開始!
物語もいよいよ佳境でしょうか。非常に楽しみです。